その他の工夫

その他の工夫

タンクの最大圧力について

 タンクの最大圧力、他のメーカとほぼ同じ210barに設定されています。これは、300気圧のタンクからの蓄圧が可能なため、使いやすいです。

 またレギュレータを装備しているので、圧力が220barに達しなくても気にすることはなく、最大パワーを得るために何barまで充填等と考える必要はありません。発射できる弾数は90発よりは少なくなりますが、130barになるまではどの圧力でも同じパワー、同じ精度で射撃が可能です。

ピカティニーレールの前傾について

 長距離射撃用に設計されているのは、ピカティニーレールが0.5度(約9mil)前傾していることを見ても分かります。

 ピカティニーレールの前傾とは、当然バレルがスコープに対して上向きになっているのと同じで、0.5度は100mでほぼスコープのゼロと合うよう角度です。スコープのエレベーション調整のトラッキング性能が最もでる中心でゼロインしやすくなっていると共に、100m近辺でエレベーションタレットを操作して射撃することも容易になっています。

弾道

注:25口径、JSB Exact Heavy 25.4grを工場出荷状態である初速950ft/sで発射した場合の弾道

シュラウドについて

 他のエアライフルと同様に、シュラウドを装備しています。

 一説には、シュラウドにはマズルからペレットが出た直後の乱流を取り除き、ペレットへの外乱を極力少なくすることで精度を上げることができるとの説もあります。どの程度の効果なのか、筆者には定かではありません。

 見た目が格好いいのは、確かです!

安全装置

 マタドールには、トリガーが引かれるのを防止する安全装置は付属していません。

 もともと「トリガーが引かれることを防止する安全装置は万全と思わないこと」というのが銃を扱う上での基本だと思いますので、マタドールにそのような安全装置がないからどうという訳ではありません。

 それぞれの銃には、メーカーや設計者が考え抜いた安全化の設計思想と仕組みが組み込まれていると思っていますので、まずはその設計思想を理解すること、そしてその仕組みを十分に活用できる形で安全に使用することが大切だと考えています。

 つまり、マタドールにはマタドールの安全化の設計思想と使い方がありますので、それを理解して活用して使用していただきたいのです。そして特に従来の安全装置を使われていた方は、マタドールでは安全化の考え方が変わり、それに伴い安全な使用手順が変わる、とうことに注意していただきたいのです。


 具体的にはマタドールの安全化は、ボルトを引きながらトリガーを引き、ゆっくりボルトを戻すことで、デコックします。

 デコックは、ハンマーが落ちている状態になる(バルブを開くのに必要なエネルギーが銃内に存在しないため、衝撃を与えたレベルではペレットは発射できない)ため、原理上トリガーに安全装置をかけるより安全、というのがエドの設計思想です。射撃しなくなった場合はデコックを行い、速やかにデコックして銃を安全化すること、それをルーチン化した手順として毎回同じことをやることがエドより強く推奨されています。

 詳細は、装填状態のマタドールのデコックをご参照ください。

注記:
 この仕組みや運用になれると、ハンマーが落ちているというのは運用の上、大きな安心材料になると思います。

 獲物を見つけてコッキングしても飛び立たれてしまう等で撃てない状況になった場合、すぐに、静かに、簡単にデコックして安全化できるというのは、マタドールのなかなか優れた特性の一つだと思います。


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