射撃性能

射撃性能

 銃の性能として気になる、弾のパワー精度一回の蓄圧での発射弾数について記載します。

弾のパワーについて

 マタドールは、マズルで35ftlb(5.5mm)、50ftlb(6.35mm)のパワーを持っています。

 これは、長距離射撃において最も精度とパワーを両立する設計と考えています。流体力学的には、1,000ft/sを超えるあたりから遷音速領域にはいり、ペレットの抵抗値は急激に大きくなります。これを超えないぎりぎりのところで設計されています。


精度について

 次に長距離射撃おいて精度を出すには3つのことが必要です。一つ目は、マズルでの弾速の安定化、二つ目はよいバレルの採用です。

弾速の安定化について

 まず、マズルでの弾速を安定させるために、マタドールはレギュレータを装備しています。

 これにより210-110barという圧力範囲において、ペレットに一定の圧力と空気量が供給され、常に安定した弾速がでるよう設計されています。実力値として平均値は950±10[ft/s]、分散としては±3[ft/s]ぐらいの範囲に収まります。

 レギュレータを装備していないエアライフルでは、どうしても作動範囲の中心付近で弾速が最大になり、圧力の上限と下限で弾速が落ちる山型になるという特性があります。50mぐらいの射撃ではそれほど問題になりませんが、100mぐらいの長距離射撃で、最も調子のいいと感じる圧力範囲が出てきます。

 一方レギュレータを装備するマタドールでは、220~110barの範囲で、どの圧力でも同じ性能が出ます。

 エアライフルで主なターゲットであるカモ、ハトなど、一発撃てば全て飛び立ってしまいます。100m程度の距離で、距離に応じたドロップを計算して仕留めようとする場合、どの圧力でも毎回同じ弾道を飛んでくれるというのはとても重宝する性能です。

 例として、6.35mmの弾速の計測結果を以下に掲載します。


画像の説明


レギュレータのない空気銃は、できるだけフラットにしてありますが、基本的にこういうカーブを描きます。
レギュレータのない空気銃の弾速例
http://www.talonairgun.com/forum/viewtopic.php?f=22&t=22808

バレルについて

 バレルは空気銃の最も重要な部品の一つです。

 これには、競技銃で有名なLother Walther製で、JSB社製鉛ペレット(またはエドガンペレット)専用のスペックで作られた特注バレルを使用しています。

 ぜひ、R3マタドール開発のお話R3マタドール用ペレットを一読してみてください。

 バレルの固定方法も大幅に変更されました。R2.5ではバレルのブリーチと中間2点でシリンダに固定されていましたが、R3では、ブリーチ側の固定と、マズル側はシュラウドに引っ張られる形で固定されており、中間のシリンダとの固定はなくなりました。

 つまり、バレルは引っ張り、シュラウドには圧縮のプリテンションが入り、バレルとシュラウドが一体構造になっており、フリーフローティング形式になっています。これは太いバレルを採用しているのと同じ効果があり、弾の精度向上の効果があります。

 シリンダーは、200barもの圧力を充填すると若干伸びます。R2.5の固定方式では、この伸びの影響がバレルに伝わってしまう形になっていましたが、それを改良使用というものです。もともとR2.5でも集弾性能はよい評価でした。よって、これで明らかに結果がよくなる改良であるというよりも、妥協のない改良の一つのようです。

注:

  • JSB社製ペレットを使用した場合、最も精度がよくなるように設計されていることを意味します。
     それ以外のペレットも使用可能ですが、エドガン社は精度を保証していません。
  • エドガンペレットとは、さらに高い精度のペレットを作る目的で、JSB社がエドガン社専用の鋳型を使用して作ったペレットのことです。
  • 鉛以外のスズ、プラスチック、鉄等の含まれるペレット、空気銃用に設計・製造されていないペレットは、バレルを痛めないために使用しないことをお願いしています。


発射弾数について

一回の蓄圧での発射弾数について

 一度の蓄圧で、安定して発射できる弾数は、以下の通りです。

5.5mmロング:90発(エドガン社の公称値)

6.35mmロング:45発(エドガン社の公称値は公開されておらず、こちらは実力値)

 通常のエアライフルは、フルパワーで30~35発程度であることを考えると、210気圧までの充填で5.5mmの場合フルパワーで90発撃てるというのはダントツの性能でしょう。

 一度のハンティングでこれだけの弾を要するシチュエーションはないでしょう。

 よって、空気入れや圧力タンク等を持参することなく、銃だけでハンティングにいけると思ってよいでしょう。

 コンパクトなエアライフルと最小の装備でハンティングに行けるのも、マタドールの魅力です。

5連発マガジンについて

 R3M(マルチショット)がでるまでは、2001年からずっと単発バージョンで販売されてきました。単発のマタドール1機種で世界的に有名になれたのは、そのエアライフルに魅力があったからとうことは言うまでもないでしょう。

 個人的には、単発バージョンでもハンティングには十分と思います。なぜなら、1発撃てば、当たった鳥以外、すべての鳥が飛び立ってしまうからです。半矢になった場合でも、連発ならとれたが、単発だから逃したというぐらい微妙なケースは、実は多くない気がします。そしてなんといっても、ライフルの醍醐味である一発で仕留める緊張感を最も味わえるからです。

 とはいえ、マルチショットのリクエストも多く、R3Mが発売されました。マガジンは、1つブリーチに装着するとともに、ピカティニーレールの下に4つの予備マガジンを装着することができます。寒いところでグローブをしてハンティングするには、確かにこちらの方が、一発ずつブリーチに装填するよりは遙かに楽といえるでしょう。25発装着していれば、それ以外の弾のケースを持ち歩く必要もないでしょう。これもマタドールの魅力です。

2014/10/26注記:
ピカティニーレールの下へのマガジンを装着は、22口径は4つ入りますが、25口径は4つ入らないことが分かりました。 詳しくは、マガジンホルダーにマガジンが4個入らない(25口径)をご参照ください。

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